関連かんれんするSDGsのゴール

目次

  1. らしにかすことのできない、大切な空気と水
  2. 川崎市の空気と川の状態じょうたい
  3. 川崎市の公害こうがい
  4. 空気や川・海がよごれる原因げんいん
  5. 空気と水を守る取組

1.らしにかすことのできない、
大切な空気と水

わたしたち生き物、動物や植物は空気がなければ
生きていくことができません。

多くの生き物にとって空気や水がきれいであることは、とても大切なことなのです。

では、わたしたちの生活が空気や水にどのようにかかわってきたのか、空気や水をきれいにたもち、さらにくしていくためには何ができるか考えていきましょう。

2.川崎市の空気と川の状態じょうたい

現在げんざいの川崎市の空気は、近くの都市とくらべても同じくらいのきれいさで、天気のい日には100km先の富士山もく見えます。

また、わたしたちの身近に流れている多摩川や二ヶ領にかりょう用水などの川にも、アユなどの魚をはじめカニやエビなどたくさんの生き物がくらしています。

遠くの景色けしきを見てみよう

みなさんは、晴れた日に遠くの景色けしきを見たことはありますか。空気のきれいさは、遠くの景色けしきの見え方と深くかかわりがあります。高層こうそうビルなどの目印めじるしを決めて、その見え方のちがいから、空気のきれいさを感じ、目に見えないけれども身近な空気について話し合ってみましょう。

ちょっと見てみよう!

視程調査していちょうさ

視程調査していちょうさとは、遠くの建物たてものなどの見え具合から、空気のきれいさを判定する調査のことです。

みなさんも近所の見晴らしのよい場所(マンションのベランダ、展望台てんぼうだいなど)から遠くの景色を見て、点数をつけてみてください。
視程調査していちょうさをくわしくみる

近くを流れる川を見てみよう

わたしたちの家や学校の近くにはどんな川が流れているでしょうか。その川で遊んだことはありますか。川がどうなっているのか、水はきれいか、どんな生き物がすんでいるか、知ろうとすることが、川を大切にするための第一歩です。みんなで、身近な川について話し合ってみましょう。そして、自分とのかかわりを考えてみましょう。まずは、近くの水辺みずべに遊びに行ってみませんか。
※遊びに行くときは、大人と一緒いっしょに行きましょう。

ちょっと見てみよう!

水辺みずべの親しみやすさ調査ちょうさ

この調査ちょうさは、市民しみんのみなさんに、市内の川に「散歩さんぽしたい、遊びたい」と思えるような場所があることを知ってもらい、水辺みずべに親しんでもらうことを目的もくてきとしています。

近所の川に実際じっさいに足を運び、いいなと思える場所を見つけて、まわりの人と共有きょうゆうしてください。
かわさき水辺みずべの親しみやすさ調査ちょうさをくわしくみる

水辺みずべの生きもの-かわさき-」をみる

 

市内の川や海などの水辺みずべで見ることができる生きものを紹介しょうかいしています。水辺みずべ環境かんきょうとその場所にすんでいる生きものはとても深い関係があり、どんな生きものがすんでいるかを観察かんさつすることで、水辺みずべ環境かんきょうを調べることもできます。

3.川崎市の公害こうがい

いまでは晴れた日に富士山を見ることができ、多摩川にはアユがもどってくるまでになった川崎市の空気や川ですが、かつてはとてもよごれている時代がありました。

1960年ごろ(昭和30年代)から日本の産業さんぎょう急激きゅうげき発展はってんし、海の近くに大きな工業地帯ちたいがある川崎市では、工場からのけむりや自動車からの排出はいしゅつガスなどによる空気のよごれがひどくなり、ぜん息になる人がえたり、光化学スモッグの被害ひがいが出たりしました。

また、市内を流れる川も、かつては農業用水やせんたく、魚とりや水遊びなど、人びとの生活とともにありました。しかし、工場や家庭から出るよごれた水が流され、川がよごれ、いやなにおいがして生活用水として使えなくなり、多摩川や東京わんでの漁業ぎょぎょうなどにも被害ひがいがでました。

こうした被害ひがいを「公害こうがい」といい、川崎市だけでなく、日本各地かくちで多くの被害ひがいが発生しました。

このような公害こうがい克服こくふくに向け、市民しみん企業きぎょう・市役所それぞれが取組を進めました。

動画で見てみよう!

川崎市の公害こうがい克服こくふくに向けた取組

川崎市には昔の生活の様子が「映像えいぞうアーカイブ」として保管ほかんされています。その中には公害こうがいの様子をつたえる映像えいぞうもたくさんあります。映像えいぞうを見ながら公害こうがいを二度と引き起こさないようにわたしたちにできることを一緒いっしょに考えましょう。

4.空気や川・海がよごれる原因げんいん

「空気や川・海がよごれる」というのはどういうことでしょうか?何が原因げんいんなのでしょうか?

工場でわたしたちの生活に必要ひつようなものを作ったり、発電所で電気を作ったり、自動車を走らせたりするためには、石油などの燃料ねんりょうやしてエネルギーを作り出して、活用しています。また、家庭などから出てきたごみは主に燃やして処分しょぶんしています。ものを燃やすと、空気をよごす物質ぶっしつが出ます。

また、わたしたちの生活で水を使ったり、工場で水を使ったりすることで、水にはいろいろなものがぜられてよごれていきます。もともと、川には川自身がよごれをきれいにする力があります。

しかし、わたしたちが使い終わった水は、この力をこえるほどよごれていて、そのまま川に流すときれいにならずに、よごれた水が流れる川になってしまいます。

わぁ、こんなによごれた水がそのまま川に流れたら大変だね。

このように、空気や川や海のよごれと、わたしたちの生活はつながっているのです。

ちょっと見てみよう!

光化学スモッグ

夏の晴れた風のない日に、工場のけむりや自動車・船の排出はいしゅつガスなどに太陽の強い光があたると、空が白くモヤがかかったように見えることがあります。この現象げんしょうを「光化学スモッグ」といいます。

光化学スモッグが発生すると、「目がチカチカする」「頭痛ずつうがする」「息苦しい」などの被害ひがいが出ることがあるため、光化学スモッグ注意報ちゅういほうが出ているときは、屋外でのはげしい運動はひかえましょう。
光化学スモッグについてくわしくみる

5.空気と水を守る取組

多くの人びとの努力どりょくで、川崎市の空気や川はきれいになってきましたが、公害こうがい歴史れきしをくりかえさないために、そして、わたしたちのまちを安心してらしていけるまちにしていくために、みんなで良好りょうこう環境かんきょうを守っていくことが大切です。そのため川崎市では、市民しみん企業きぎょう、市役所が協力きょうりょくしながら、空気と水を守る取組を進めています。

市民しみんの取組

川や水辺みずべを守る活動をする

身近にある川や水辺みずべをきれいにするために、川のそうじをしたり、木を植えたり、川や水辺みずべを守る活動を市民しみんが自ら進んで行っています。

空気や水の大切さや公害こうがいつたえる活動をする

フィールドワークや学校での授業じゅぎょうなどを通して、空気や川や水辺みずべについて楽しく学んだり、公害こうがい経験けいけんつたえたりする活動を行っています。

企業きぎょうの取組

工場から有害ゆうがいなけむりやよごれた水を出さないようにする

工場から出るけむりにふくまれる有害ゆうがい物質ぶっしつを取りのぞく設備せつびをとりつけたり、らすための研究を行ったり、日々、公害こうがいふせ工夫くふうをしています。

輸送ゆそうするときは、環境かんきょうにやさしい方法ほうほうえら

材料ざいりょう製品せいひんを運ぶときの輸送ゆそう方法ほうほう工夫くふうして、トラックなどから排出はいしゅつガスをできるだけ出さないようにしています。

市役所の取組

公害こうがいふせぐための決まりをつくり、検査けんさする

工場から出るけむりや水の決まりをつくり、新しい施設しせつをつくるときに、その決まりを守ることができるか確認かくにんしています。また、工場から出るけむりや水に、たくさんのよごれが ふくまれていないかを検査けんさしています。

空気や水の環境かんきょう調査ちょうさする

川崎市内で空気の様子を24時間測定そくていし、監視かんししたり、海や川の水のきれいさや、どんな生き物が生息しているかも調査ちょうさしています。調べた結果けっかはインターネットなどで市民しみんのみなさんにお知らせしています。

調べてみよう!

ただいまの大気環境をみる

川崎市内の空気の様子(よごれているかどうか)は、こちらから調べることができます。みなさんが住んでいる場所の近くのデータを見てみましょう。1時間ごとに更新こうしんしています。

大気環境情報(年度毎の測定結果)をみる

空気の様子は昔から測定していて、その変化をまとめたグラフをこちらから見ることができます。実は、空気のよごれの種類はたくさんあるんですね。例えば「窒素酸化物ちっそさんかぶつ」「浮遊粒子状物質(SPM)ふゆうりゅうしじょうぶっしつ(えすぴーえむ)」「二酸化硫黄にさんかいおう」「光化学こうかがくオキシダント」などのグラフは、どのように変化しているでしょうか。

河川と海域の水質測定結果をみる

川崎市内を流れている川や海のきれいさを毎月(または季節ごとに1回ずつ)測定しています。測定した結果は、こちらから調べることができます。

動画で見てみよう!

大気や水の監視かんし調査ちょうさ

決められた測定そくてい場所に行って、空気の状態じょうたい測定そくていがどのように行われているかや水質すいしつ調査ちょうさの様子を取材しゅざいしました。

下水道の整備せいび

市内に下水道をつくり、家庭などで使い終わった水は下水処理しょり施設しせつ(水処理センター)できれいにしてから、海や川へ流すようにしています。

環境かんきょうにやさしい交通手段しゅだんをひろめる

有害ゆうがい排出はいしゅつガスを出さない電気自動車、燃料ねんりょう電池自動車などの次世代自動車の利用りようをうながしています。また、「エコドライブ」をびかけたり、自転車を活用したまちづくりをすすめたりしています。

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